浮気彼氏【完】
愛が・・・居た。
ゴツゴツとした岩の一つにゴロリと寝転んだ状態で・・・。
透けるような白い肌は青白く、まるで体温を感じさせない様だ。
色素の薄いフワフワの髪は、岩肌にひろがり、風に遊ばれる様にフワリフワリと揺れていた。
ゆっくりと近づいてみると、ただ静かに眠っている様な愛は、まるで幸せな夢でも見ているかの様に微笑みを浮かべていた。
愛の左の手は、他の清らかさとは反対に、そこだけ赤黒く染まっていて・・・。
「愛!!!」
オレは、愛に駆け寄り、力強く抱き締めた。