浮気彼氏【完】
「あい、西尾が会いたいって言ってたぞ。ほら、この間西尾が来た時、愛、熱が出て会えなかっただろ?多分、今日の帰りあたり、会いに来るんじゃないかな?楽しみだな?」
玲子さんが退室した後、オレはまた、愛と話を始めた。
「・・・ねぇ、愛。言ったことなかったけどさ、実はオレ、入学式の日に、愛に一目惚れしたんだ。それから、ずっと愛一筋。オレってさ、一途だと思わない?」
何を隠そう、オレは今でも、愛に会うたびに、愛を好きになっていたりする。
・・・こんな事言ったら、愛、引くかな?
「でも、オレの優柔不断な、間違った優しさのせいで愛を悲しませたり、苦しませたりしてゴメンな。」
あの時、オレが間違わなければ、こんな事にはならなかったかも知れない。
そう思うと、胸が痛くてたまらない。
「ねぇ、愛、君を不安にさせてゴメンね。君を泣かせてゴメン。君に別れを決意させてゴメン。君が消えてしまいたいほど苦しんで、悩んでいたのに、気付いてあげられなくてゴメン。」