浮気彼氏【完】
「・・・黎二君。」
そっと、玲子さんに肩を叩かれた。
ふと見ると、玲子さんの向こうには愛の担当医の村井先生が居て・・・。
自分が邪魔をしているんだと気付いた。
オレは、玲子さんに促されるまま、病室を出た。
玲子さんとオレは、そのまま廊下でたったまま待っていた。
「黎二君、愛が目を覚ましたのは、あなたのおかげよ。ありがとう。」
情けないけど、もうどうしようもない。
オレは、流れる涙を止める事が出来なかった。
愛が目を覚ました。
・・・もう、何も望むモノはない。