浮気彼氏【完】
「ま、私は帰るから、ゆっくり2人で話し合ってね。じゃあね?」
鞠子はそう言うと、ヒラヒラと手を振って帰っていった。
じっと固まる、私と黎二。
黎二は俯いていて、視線は絡まない。
・・・それがもどかしい。
「あ・・の・・・、久しぶり。元気だった?」
たまりかねた私は、黎二に声を掛けた。
そうして黎二はようやく、私に視線を向けてくれたんだ。
だけど、視線はやっぱり絡まない。
「・・うん。愛は・・・元気になったね。良かった。安心したよ。」
ああ、黎二の声だ。
私は、気持ちと一緒に涙が溢れてきた・・・・・。