浮気彼氏【完】



「ま、私は帰るから、ゆっくり2人で話し合ってね。じゃあね?」



鞠子はそう言うと、ヒラヒラと手を振って帰っていった。



じっと固まる、私と黎二。

黎二は俯いていて、視線は絡まない。

・・・それがもどかしい。



「あ・・の・・・、久しぶり。元気だった?」



たまりかねた私は、黎二に声を掛けた。



そうして黎二はようやく、私に視線を向けてくれたんだ。

だけど、視線はやっぱり絡まない。



「・・うん。愛は・・・元気になったね。良かった。安心したよ。」



ああ、黎二の声だ。



私は、気持ちと一緒に涙が溢れてきた・・・・・。





< 82 / 92 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop