焼けぼっくいに火をつけて
一旦動きを止めた先生は、わたしの下肢からショーツを抜き取った。太ももを押し広げられて晒された秘部に、先生の顔が埋まった。

「ダメ・・・、先生、ダメ」

先生の返事はなくて、ただわたしの秘芯を貪っている。

(頭がおかしくなりそう)

先生の髪の中に指の入れ、ぐちゃぐちゃに掻き回す。もう何も考えられなくて、ひたすら喘ぐばかりだ。

再び侵入して来た指が、秘芯を擦る舌が、わたしを翻弄する。

苦しい。うまく呼吸ができない。

「はあぁ、あああぁ」

一際強い刺激に、わたしは身体を強張らせ甲高い嬌声をあげ、次の瞬間には全身が弛緩した。

熱い嵐が去り、息を整えていると、先生がベッドから降りる気配がした。目を開くと、ボクサーブリーフを脱ぐ先生の後ろ姿が目に入った。

10年前と比べると、少し肉がついたけど、ピンと姿勢が良い背中と、スラリと伸びた手足は、きれいとしか言えない。

今からあの身体に抱かれるのだと思うと恥ずかしくなり、目を閉じて顔を背けた。

ギシリとベッドが軋む音を立てて、先生がわたしの横に戻って来た。

「愛理、こっち向いて」

抱きしめながら、わたしの顔を自分の方に向ける。促されるまま、顔を先生の肩に埋めた。何度か髪を撫でた先生は、当然のように、わたしの上に覆いかぶさって来た。

啄むように繰り返されるキス。胸を包む大きな手。膝の間に入り込んだ、熱い身体。
ゆっくりと秘部に添えられた先生自身は、既に準備ができていた。

「は、ぁ・・・、は、ぁ・・・」

今から与えられる刺激に備えて、浅い呼吸を繰り返していると、先生は膝立ちになり、わたしの中に押し入って来た。

「くっ・・・、ふぅ、んん」

圧迫感から逃げるようにシーツを掴んだけど、丹念に解されたわたしの身体は、難なく先生を受け入れた。
徐々に奥に進み、わたしの恥骨と先生の恥骨が重なった。

「くぅ・・・」

食いしばった歯の隙間から声が零れる。

「声、我慢するなって言ってるだろ」
「う・・・ん。は、・・・あっ、あっ・・・」

先生の動きに合わせるような短い喘ぎ声が自然と出る。

「あぁぁぁ・・・」

だんだんと速まる先生の動き。わたしから出るのは、嗚咽なのか悦楽の声なのか。
宥めるように唇が重ねられ、口腔に侵入した舌が激しく暴れる。握り締めていたシーツを離して、先生の背中に手を回した。
身体の奥深くまで繋がっているのに、まだ物足りない。もっともっと近づきたくて、無意識に脚を先生の腰に絡めた。

「先生、わたし、先生が好き」
「あぁ、俺も好きだよ、愛理」

嬉しい。今だけのことだとしても、先生に好きだと言われ、抱かれている。幸福感が溢れる。

「や、ぁ・・・せん、せい」
さらに速くなった動きに、思わず背中に爪を立ててしまった。

「くっ・・・」
「あ、ごめんなさい」
「いや、大丈夫だ」

背中の痛みに一瞬顔を歪めたものの、先生は微笑んで、注挿を再開させた。

もう苦しいのか、快感に浸っているのか、自分でも分からない。

「あぁぁぁっ」
「くっ」

先に達して脱力したわたしに続いて、熱を放った先生は、2、3度身体を揺らして、わたしの上に倒れこんで来た。

(ずっとこのままでいたい)

夢うつつで思いながら、先生の背中を撫でた。
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