王様の告白
「宗次とは、子どもの頃からずっと一緒に育ったよな？
　学生時代に、一度だけ。
　思春期の好奇心で、お前を女みたいに抱いたけど。
　大人になって『社長』と『秘書』に別れて仕事して以来、お前は俺の名前さえ、呼ばなくなった。
　オレも、一度は女と本気の恋をしてみたけれど……
　彼女を亡くして三年経って。
　オレは、もう二度と女性を好きになれないと思った」

「それは、よほど奥様のことを愛してらっしゃったのでしょう？
　男の私では、代わりになんて、なりませんよ？」

　ようやく少し落ち着いて。

　社長が……拓也が、何を言ってるのか理解し……首を振った。

「宗次は誰かの代わりになんて、絶対にならない。
　宗次は、宗次だ」

　そう言って、拓也は、俺の身体を挟むように手をついたまま、言った。

「絶対に、成功する告白方法。
　しようと思う、本人に聞いたら絶対間違いないだろう？
　だから、宗次、お前、俺のものになれ！」

　これは、夢だ。

　俺に都合の良い、ただの夢だ。
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