キセキの証

『亜樹。それ、どこ?いくら遺書に書いてあってもお父さん捨てることなかったやん。』

『そんなことわかっとるよ。でも、うちももう限界やねん。みんなから助けてもらったんになんにも出来ひん自分がしんどい。
せやから、この街とこの学校を去るお金が必要やったんよ。』

『そんな、困ってる人がおったら誰でも助けるやろ?亜樹は何も出来ひんとか言うてるけどなにもかも完璧やん。この街去るとかゆわんといてや。俺らずっと一緒におろうや?な?』

『ううん。無理よ。うちは、ここを出ていかなあかんの。もう、みんなに頼りきりや
あかんのよ。今までホンマありがとう。こんな優しくしてくれるんは今までもこれからも、みんなだけや。絶対忘れへんから。じゃぁね・・・。』

『いやや。亜樹。うちらずっと一緒やろ?これからも一緒におろうや!なぁ、出ていくなんて言わんといてよ!亜樹〜!』

『ゆーたん。ごめん。・・・・・』
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