愛とか恋とか嫁だとか。
もう、正直どれも同じなんですけど……と言いたくなるような、似たり寄ったりの髪型のオンパレードに面食らう。


「あ、じゃあこんな感じとか……」


適当に、よさそうな髪型を指してみる。


「あー……ちょっと失礼します」



斉野さんの細長い指が、あたしの髪の毛を、ひとつまみ、すくい取る。


きゃーーーーだよ、もう。


ボサボサで、なんのお手入れもしていない髪の毛を出来たら見ないでほしい。触らないでほしい。


かっこいい人だから、余計に。


「んー、やっぱり。

青山さん、髪の毛凄く細くて柔らかいから、この髪型だとバランス悪いかも。

えーと、このくらい、どうですか?」


新たに示された画像と、さっきのものと。


あたしにはさっぱり違いが分からないけど、笑顔で頷く。
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