愛とか恋とか嫁だとか。
二重顎になっちゃいそうで相変わらず苦手なシャンプーを終えた後、促されてまた、椅子に座る。


ああ……こんなイケメンの前なのに、生きていく上で人に見られたくない姿トップ3に入りそうな
『頭にタオル、首からケープでてるてる坊主状態』
をするはめに……。


あたしのそんな戸惑いはお構い無しに、手慣れた感じで斉野さんはドライヤーを掛けながら話しかけてくる。


どこのタイミングで見たのか、あのカードの情報をさらいはじめて。


いや……無言でもいいんだけど……。


「青山さん、29歳には見えないですねー」


ドライヤーの轟音と共にヒヤリとする事を言われる。


……ばれた?

はい、あたし本当は30歳ですけど……
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