愛とか恋とか嫁だとか。
「んなもん、適当に自分でやるから。

因みに今日のメニュー何?」


部屋の中を歩きながらネクタイを緩める航平。


″一人の仕草″が、何だか板についている。


心が折れそうになるけど、あたしだって負けない。


「今日はね、なんと航平の好きな豚肉のしょうが焼きでーす!」


わざと明るく言いながら、慌てて冷蔵庫からお肉を入れてあるバットを取り出す。


お味噌汁の入った小鍋に火を入れ、てきぱきと準備を進める。


背中に航平の視線を感じる。


…………これさ。よくある、


『料理中の彼女を後ろからギュッ!』


の、やつじゃない?!


もー、そういうふれあい、ほんっとにしてない。

大切だよね、スキンシップ。
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