愛とか恋とか嫁だとか。
寂しいなんて、絶対言えない。


あたしは、自ら選んで今こうして生きている、と思いたい。


仕事は、確かに好き。


やりがいだって感じてる。


だけど、一番の希望は、結婚すること。


ごくごく普通の幸せを手に入れること。


その結果もしも

『10パターンあるうちの一番下のやつ』

の人生になるとしても。


それでもあたしは、結婚したい。


よく日の当たるカフェで、笑っていたあたし達。


長く付き合った彼にプロポーズをされた若菜。


青山が、娘を見ていてくれると言って、身軽さを喜んでいた日南子。


……キラキラしていた二人のように、あたしはちゃんと笑えていたのかな。
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