愛とか恋とか嫁だとか。
「……別れたんだ、ちょっと前に」


なるべく、惨めにならないよう、明るめのトーンを心がけて言ってみる。


そんなこと、何でもないんだよって言う風に。


青山の手が止まる。


「……そ、か」


おーーーーーーい、あたしの努力、どうした?ってくらい、思いっきりテンションが下がる青山。


「なんで、青山がへこむのよ。

合わない人と居たって仕方ないんだからさ」


「んー…………」


落ちてる落ちてる。



「さ。んじゃ、こっちが15枚、こっちが16枚ね。

メンズとレディース何枚ずつ?あと、サイズと……あ、いつまでに用意すればいい?」


青山を見ずに、話を進める。


そうしないと、あたしが困る。
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