カラダ探し~最終夜~
世界が壊れた日
11月28日。


今日は美雪が目覚める日だ。


私と遥が美子のお墓を掘り返した事はふたりだけの秘密。


小野山邸の地下も調べないまま、この日がやってきた。


黒くて怖い人をどうにかするのは美紀の「呪い」を解いた後。


世界が変化しないというパターンの時に実行するだけだから。


いつもよりも早い時間、美雪が現れるまでに行こうと、皆で学校に向かっていた。


「あー……今日なんだね。美雪はもういるかな? 何かドキドキするな」


まるで遠距離恋愛をしている彼氏に会うかのように、ソワソワしている留美子。


「落ち着けっての。美雪は逃げやしねえよ。学校からは出られねぇんだからよ」


大きなあくびをした後、高広が眠そうな目をこすって答えた。


「あんたみたいな奴に、私の繊細な気持ちがわかってたまるかっての! 美雪がどんな気持ちで棺桶に入ったか、考えた事あるの!?」


朝っぱらから大声で……。


高広と留美子が騒ぐのはいつもの事だけどね。


そのなかに……武司と結子も一緒にいるというのは、いつもとは違って新鮮に感じる。
< 505 / 576 >

この作品をシェア

pagetop