カラダ探し~最終夜~
お墓に向かったメンバーの中で、唯一二人が覚えていたのは結子。
死んだ人を忘れていると言うなら、結子だけでも生きているんだという事がわかり、少し安心して歩いていた。
すると、まだ誰かいるのか、ホールに人影。
キョロキョロと辺りを見回して、こちらに気づいたのか慌てて駆け寄ってきた。
「も、森崎さん! 僕はいったい……」
それは、小川君だった。
そうか、美紀の「呪い」が解けて、眠りから解放されたんだ。
でも、何も覚えていないんだろうな。
「何でもないよ。早く帰ろう? もう遅いしさ」
わからないなら、説明をしても無駄だよね。
高広や翔太でさえわからないなら。
そう思って、靴を履き替えようとした時だった。
「何でもない事ないでしょ? 『カラダ探し』はまだ続くの? 袴田君は……一緒じゃないの?」