居場所
なんとなくだった。次の日もその男の子に会おうなんてこれっぽっちも思っていなかった。
だけど気がつけばあたしの足は公園に向かってて、男の子がボールを蹴っていたら、あたしは影からそっと見ていた。
でも男の子はいつもあたしの傍まで駆け寄ってきて色んな話をして落ち込んでいる時はいつも励ましてくれた。
“優花ちゃんの笑顔は可愛いね”
“みんなを幸せにしてるね”
って、いつも言ってくれて私が落ち込んで泣いていたら、
“悲しい涙を流すと顔に傷がいくよ、笑顔はね幸せを運んでくれるんだよ”
“僕の名前は、成宮 蓮(れん)って言うんだ。優花ちゃんの笑顔見てると僕まで笑顔になって幸せな気分になれる”
どう思ってそう言ってたのかは分かんないけど、あたしにとったらすごく落ち着つくような言葉ばかりだった。
“こっから見る星はね凄く綺麗で僕を強くしてくれるの”
公園のベンチに座って大空を見上げ指を差す蓮くんはよくその言葉を言ってた。
でもあたしはその言ってる意味が分からなかった。だからと言ってあたしも深く蓮くんに聞こうともしなかった。
優しく笑みを漏らして見上げる蓮くん。だけどその笑みが何だか淋しそうにあたしは見えた。