居場所

暫くすると黙るあたしを一瞬チラッと見た蓮くんは口を開いた。


Γ僕のお父さんとお母さんは事故で1年前に亡くなったの…でもね、ここに来て星を見るの。キラキラ輝く星はね勇気をくれるの」 


そう言った蓮くんはあたしよりずっとずっと強い気がした。 

あたしにはまだお母さんはいる。だけど蓮くんには居ない。でも蓮くんは決して哀しそうな顔はしなかった。



Γ蓮くんって強いんだね」 

Γ強くなろうとするんじゃなくて強くなるんだよ。優花ちゃん笑顔は大事だよ」 


その些細な優しい言葉があたしはただただ嬉しかった。

次の日もあたしは公園へ向かうといつも通り蓮くんはサッカーをしていた。 

あたしはその蓮くんの姿を見るのが好きだったかも知れない。


Γ蓮くんはサッカー好きなの?」 

「大好きだよ。僕のお父さんは凄く上手くてね海外で練習してたんだよ。だから僕も大きくなったら海外に行って上手くなるの。それが僕の夢。優花ちゃんはもう夢叶ったね」


ふと聞いた質問の答えに胸が打たれそうになった。

あたしの夢は叶った。

そうだけど…でもやっぱり家族が壊れたから何処か切なくて寂しい…
 



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