居場所
「今日も学校行ってないの?」
あたしの顔をジッと覗き込むように見て、目の前の席に座る山ちゃん。
山ちゃんと言うのは山中哲也(ヤマナカ テツヤ)さん。あたしの10コ上で今26才。
ここの喫茶店のオーナーであたしが今、信頼できる人。
「…うん」
「そっか…」
そう小さく呟く山ちゃんに思わず俯いていた顔を上げ山ちゃんを見た。
「……」
「行きたい時に行けばいい」
「山ちゃんは…怒らないの?」
あたしの私生活を。と言うのは口に出すことなく、いつも何も怒らない山ちゃんが疑問に思いあたしは思わず聞いてみた。
「怒ったところで優花(ユカ)は学校に行くのか?」
そう言った山ちゃんに思わず上げていた視線を下げる。
それを言われたら返す言葉なんて何もない。行けない…と言うか行きたくない。もうどれくらい行ってないのかも分かんないくらいだった。
高1の時は数えるくらいしか行ってなくて、高2になった今でも全く行っていない。と言うか高1の時より全然行っていない。
それがあたしの日常生活になってしまい、これがあたしのあたりまえの生活。ほんともう、ただの高校生と言う響きだけにしか過ぎない。