居場所
最終章
夢
―――――2月。
卒業の月。
「優花、帰ろ」
放課後、蓮があたしの教室に来てあたしは鞄を持って教室を出た。
「なぁ今日、哲也さんの所に行かねー?」
蓮から言うの珍しいよね…
「うん。いいよ」
「しっかし寒いよな」
「だね」
駅に着いて電車に乗り込んで、蓮を見るといつもの表情とは違う感じがした。
「優花、最近頑張ってんの?」
「うん。大変だけどね」
「まっ、それが優花の夢だろ?」
「色々あったけどね…蓮のおかげだね」
あたしは少し微笑んで蓮を見た。
「俺は別に何もしてねーよ」
蓮はいつもそればっかりだね。
でも…ありがとう。
あたし達は電車を降りて山ちゃんの所へ向かった。