居場所
「家まで送る」
「いいよ別に…大丈夫だし」
「だから、そう言うのも頼れって言ってんの」
だっ、だって…山ちゃん彼女いるじゃんか。
やっぱ頼ってばかりもいれないや…。
「さて、行くか」
山ちゃんはカウンターに行きカギを持ってきた。
あたしも席を立ち鞄を持って外に出た。
やっぱ、この路地って暗くなるとちょっと怖く、あたしは辺りを見回す。
「優花さっきから何キョロキョロしてんだよ」
山ちゃんは不思議そうにあたしを見下ろす。
「だ、だって。この路地って夜になると真っ暗になるから…」