居場所
「もっともっと周りを見ろ、自分だけじゃなくて他にも目を向けろ。学校だって何かあるかも知んねーよ。だから小学5年の時からの時間を動かせろ…笑顔もな」
山ちゃんは何だってわかってる。あたしの事。
6年も居たら心まで読めんのかな…山ちゃんは凄いよ。あたしの何もかもを探ってく…
「はい」
「…ん?」
「手」
…手?ふと見ると山ちゃんはあたしに向かって手を差し伸べていた。
「怖かったら繋いでやるよ」
そう言って山ちゃんはクスクスと笑みを漏らす。