居場所
「優花と言えばオムライスだろ?」
「何であたしイコール、オムライスなの?」
「お前それしか食わねえじゃん」
「ま、そうだけど」
山ちゃんは分かり切ったかのようにそう言って、キッチンへ向かって行く。
あたしはカウンターの前に座り、横の椅子に鞄を置いた。
少しすると、キッチンのほうから凄いイイ匂いがしてきた。
あたしの大好きな匂い。
あたしがいつもいつも辛そうな顔をしてると、こうして山ちゃんがよく作ってくれていた。
なんか懐かしいな。
過去なんていらないってそう思ってたけど、残したい部分もいっぱいある。今となっては思い出かもしんないい。