居場所



「空、綺麗だな」 


突然、不意に聞こえた声に身体がビクッとし、思わずあたしは身体を起こす。 

隣を見るとあたしと同じ学校の制服を着た一人の男があたしの隣に突然座ってきた。 



「お前、今日は来てたな」 

「……」

「ちゃんと来いよ学校」


胡坐を掻いて座ってきた男は訳も分からずあたしに話掛ける。つか、何この人。顔もまったく知らない奴に言われたくない。 
何が言いたいのか分かんない。


「お前、あんまって言うか全然笑わねーよな」 


突然言ってきた言葉にあたしの表情が曇る。 


「つか、何が言いたいの?」 

「お前ちゃんと喋れんじゃん」 

「説教ならしなくていいから」 


あたしはそう吐き捨て、さっさとこの場から離れた。 



< 52 / 233 >

この作品をシェア

pagetop