キミには言えない秘密の残業
「な、なんで??」



「元々もう別れるつもりだったんですよ。言ったでしょ?俺、本郷さんに惹かれてるって。そんな気持ちのまま彼女と付き合うつもりなんてなかったんで。でも、まさか本郷さんの『残業』にそんなことが隠されていたなんて思いもみなかったですけど」


優しくコツンと肩に頭を乗せられてあたしのほうが年下に思えてきて仕方ない。でも、でも公私混同していたあたしを許してくれるの?置かれた頭を上げてまた俯いて問いかける。



「・・・あたし、公私混同してたんだよ。いいの?」



「俺のためにでしょ?そんな公私混同なら大歓迎ですよ。それに『残業』のおかげで俺は本郷さんに惹かれていったわけだし、結果的には感謝してます。分かってたんです。自分でも、別れたほうがいいってことくらい。でも本当、それでも別れられなかったんですよね」



「うん、分かるよ。あたしもそうだったから」
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