鈴が咲く【前編】
他の人が話しかけてくるんだけど、
みんなが、周りにばれないようさりげなく
阻んでくれる。
案外上手に立ち回ってる…
そのまま歩いて門を出ると、
近寄ってくる人はいなくなった。
「....もう大丈夫みたいだな。」
「うん。だいぶしつこかったよね。」
「てか、最初と話違うやんけ!
走って撒くんとちゃうんか?」
「いや、あの人数の中を
走るのってほぼ無理だろ。
咲の体力考えたら、
やめといた方がいいと思ったし。」
....佐島君を除いた三人がしゃべってる。
「...みんな...」
小さい声で呼びかける。
「なんだ?」「どーかしたんか?」
「なーにー?」
聞こえないか、くらいの声で言ったけど
聞こえてた。
「ありがとう。
...助けてくれて...」
そう言って、みんなを見つめる。