鈴が咲く【前編】

「 It ends the lesson of today……!」



そういうと、真っ赤な顔して先生が
教室を出て行ってしまった。




軽く息を吐き出した翔が立ち上がる。




「今日の授業は、ここまでだってよ!」



あ〜あ、せっかく演じないで入れたのに〜…

口元にうっすらと笑みを残して、
“香林咲希”を思い浮かべる

_______カチ









「「「「...っしゃぁーー!」」」」

!?

「あのババァ、気に入ってるやつらには
媚び売るわ、セクハラ行動するわ、
まぁいろいろあって
生徒から嫌われてんだよ。」

「そ、そうなんだ...」




「おい翔太!
どういうことだよ!?」

どっと皆が翔の近くに集まる。




「いや……咲が寝ちゃってただろ?
だからあの人問題解かせようとしたんだけど
あの問題、東京の大学のやつだったんだ。だから、
先生は解けないと思ってたんだけど
咲、小さい頃から英語習ってたから解けちゃってさ。」

「まじで!?」


「うん。
んで、咲がその事先生に言って、
ついでにちょっと嫌味も言ったから
先生はプライドズタズタで
怒って帰ってっちゃったってわけ。」




「あの問題、大学の問題だったのか!?」

「香林さんってすげぇ!」






「あ、ありがとう...?」




すげぇ、すげぇと連呼する
クラスのみんなに言った。

< 111 / 568 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop