鈴が咲く【前編】
「 It ends the lesson of today……!」
そういうと、真っ赤な顔して先生が
教室を出て行ってしまった。
軽く息を吐き出した翔が立ち上がる。
「今日の授業は、ここまでだってよ!」
あ〜あ、せっかく演じないで入れたのに〜…
口元にうっすらと笑みを残して、
“香林咲希”を思い浮かべる
_______カチ
「「「「...っしゃぁーー!」」」」
!?
「あのババァ、気に入ってるやつらには
媚び売るわ、セクハラ行動するわ、
まぁいろいろあって
生徒から嫌われてんだよ。」
「そ、そうなんだ...」
「おい翔太!
どういうことだよ!?」
どっと皆が翔の近くに集まる。
「いや……咲が寝ちゃってただろ?
だからあの人問題解かせようとしたんだけど
あの問題、東京の大学のやつだったんだ。だから、
先生は解けないと思ってたんだけど
咲、小さい頃から英語習ってたから解けちゃってさ。」
「まじで!?」
「うん。
んで、咲がその事先生に言って、
ついでにちょっと嫌味も言ったから
先生はプライドズタズタで
怒って帰ってっちゃったってわけ。」
「あの問題、大学の問題だったのか!?」
「香林さんってすげぇ!」
「あ、ありがとう...?」
すげぇ、すげぇと連呼する
クラスのみんなに言った。