鈴が咲く【前編】
「お前、今日は龍也と二人で帰れ。」

「なんで?」


「こんなにも急に
アイツらがいなくなるのは何かある。
俺は調べてから帰る。」

「あ...うん。わかった。」

「じゃあな。気をつけろよ?
...龍也...。」

「わかってる」

頷くと、
翔は校舎の方へと向かって行った。

「...行くか。」

「うん。」

二人で歩き出す。



「そう言えばさ。」

「うん?」

「お前、こないだのミステリー
読みたがってなかったか?」

「あぁ!!
あれね~まだ読んでないんだよね。
本持ってないし。」



「ん。」

そう言って佐島君がさしだしたのは...

「え!?
これ...」

そう。

私が読みたがっていたミステリー小説。


私も佐島君も実はものすごい読書家。

二人で読んだ本の感想を言い合ったり、
一緒に読んだりしているけど...

この間佐島君が読んでいた
この小説が気になって、
読んでみたいと言っていたんだ。
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