鈴が咲く【前編】
「そんなはず...」



『みんながそんなこと、するはずない。』

そう思うところだよね
ヒロインとしては。


ていうか、確証得てないのに良くもまぁ
私にまでそれ言いに来たよね?

笑いがこぼれそうになる。



「復讐してやる!
俺があいつらに
自分たちの無能さをわからせてやる!」





そう言って、私の腕をつかむ。

さっき掴まれたところと同じところ……



へぇ……案外まだ冷静なんだ



「っ...」

「お前、
あいつらにいつも守られてるよなぁ?」



「お前のことを傷つければ、
あいつらがどれだけ
無能な守りをしてたかわかるだろう...?」

くだらない。

そんなのただの自己満足に過ぎないのに……




腕をつかむ力を強める。

「いっ....」

痛さに顔をゆがませる。


それでもニヤニヤしたまま、
腕を離さない。



ホントはこんなの小さい頃から
嫌というほど経験してる。




腕がしびれてきた。
感覚がない。

力を強められて、痛みが走る。


でもその痛みは
もうわたしには『痛み』としてカウントされない
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