鈴が咲く【前編】
まぁ相変わらずの情報操作には
甚だ呆れるけど。
「咲?
好きな時にここきていいから...な?」
黙って考えていたら
私が落ち込んでると思ったらしい
「咲。いいやつばっかだから。な?」
亮ちゃんと誠にぃが慰めてきた。
「よし。そろそろ行くか!」
「うん」
「ほい。これ制服な。
向こうの部屋で着替えて来い。」
渡された制服は、
多分ファッションデザイナー、
聖花である、お母さんのデザイン。
セイカ
「きがえたよ?」
「よし!行くか!」
「うん。」
「じゃあね!亮ちゃん」
「おう!またきてくれよ~」
ガララ...
「ねぇ、誠にぃ。
わたしって、何クラス?」
「2-A。
学年での成績が20位以内、
または、
スポーツ推薦や
芸能系を選択した奴らのクラスだ。」
「ふぅ~ん。じゃあ私は?」
「入学テストの成績」
そんな説明を受けながら階段を登る。
「着いたぞ。
入れっつったら入って来いよ?」
「うん。わかった。」
ふぅーっと息を吐く。
天然で無邪気、鈍感な無自覚。
七星でのキャラクターに切り替える。
……今から私は『聖林咲』じゃない。
ヒロイン気質の転校生、林咲希……