鈴が咲く【前編】
優しさ
「...怪我、
大丈夫か?」

そう言って、
左腕を見てくる佐島君。



やっぱり...見られてたんだ...

「...佐島君、だよね?
手当てしてくれたの。」

何となくだけど、

そう感じた。

「あぁ。
.....ごめんな...。」




「みんなのせいじゃないよ!」




そう言って頭を回転させた。


さっきので怪しく思われたかな...
演じるのたどたどしかった気もするし...







ヒロインキャラでも
仕掛けておこうか...?

「!?
っ咲希?」




佐島君の服の袖を引っ張る。

「...嘘だよね...?」

「え?」

「っうそだよね!?
あの人の言ってたこと...
みんなはそんなことしないよね!?」




佐島君を見上げて、問いかける。

「咲希...」

「っ...ごめん、
ごめん、変なこと聞いて。
...忘れていいから...」
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