鈴が咲く【前編】
姫としての覚悟
「今は、本家も動いてるから、
情報は入りやすいと思うぜ?」
「封者を任せてた一族ってのは?」
「行方不明だそうだ。
おそらく、妖鬼の一族の
近くにいるんだろう。」
理事長室で、
亮ちゃん達と詳しく話し合いをしている。
いつにも増して、緊張感がある。
でも、みんな、ちゃんと落ち着いてる。
「今、燈兜がどこら辺にいるかとか、
わかんないんだよね?」
「あぁ。
石碑から解かれる前に、
本家の使者が術をかけたらしくて...
おかげでまだ、自由に動けないらしい。」
「もうすでに、
石碑からは解かれてる...かぁ...」
みんなが、ソファに寄りかかる。
「あぁ~!
何で、も―ちょっと早く...」
「誠。
仕方ないだろ。
それよかそっちはどうだったんだ?」
「ん。
本家も含め、分家も警戒態勢だと。
結界も張ってるらしいけど、
まだ引っかかってないらしい。」
「そうか...」
結界は、奴らを退ける力を持っていて、
奴らが近づくと、
センサーみたいな働きをしてくれるものもある。