鈴が咲く【前編】



翔太side



咲が見えないところまで
歩いて行って立ち止まる。

物陰から、
ばれないように様子をうかがう。


咲の様子が...おかしかったから。






咲はばれてないと思ってるだろうけど...


「わかるにきまってんだろ...
何で隠すんだよ...」

咲が校舎裏の方に歩いていく。


俺は、ばれないように、
様子を見に行くことにした。


校舎と校舎の間を
音をたてないように進む。

「ぅ、むり...」

!?

声が聞こえて立ち止まると、
地面に座り込んだ咲が、

震えていた。

「っ...」

近くに行こうと思ってためらう。

「何で...
...っこわいよ...」

まさか...

燈兜のことか?





「何で、こんな弱いの...
何で...!
何で、こんな...
みんなだって頑張ってるのに...!」

そんなことない。
咲は、強い。
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