鈴が咲く【前編】
近くに行って、
そう言ってやりたいのに、
体が動かない。
小さい頃たった一人で居た、
咲の心が見えたようだった。
―もっと頑張らなきゃ―
―私がもっとみんなの役に立てば―
―みんな、私の事を認めてくれる―
―傍に居てくれるはず...―
ガキん時に一度だけ見た、
咲の心の奥。
まだ、続いているんだと思った。
「っやってやるんだ...
弱ってなんか...居られるもんか。
私が倒さなきゃ、いけないんだ。」
立ち上がって、空を見つめる咲。
「!?」
「我は、陰陽道を司る、
聖林の姫なり。
この命に代え燈兜を滅する。
我を知りゆく
天の者よ。
そなたも力を...祈りを我に。
みなの力...無駄にはせぬ...」
聞いたことのない、術言。
いや、術じゃない。
決意のような、そんな言葉。
咲が言っている最中にも、
咲の力が高まっていくのがわかる。
「!!」
咲の力じゃない、
たくさんの、想いや力が、集まっていく。
咲を囲む様に渦を巻いた。
まっすぐにおろした咲の髪が撒き上がる。
ふと、
聖林家の姫としての、
『正装』をした咲に見えた。
「...これが...咲...なのか...?」
思わず声が出た。
「...聖林の..姫...。」
咲の覚悟が、
姫としての覚悟が、見えた気がした。
翔太side end
そう言ってやりたいのに、
体が動かない。
小さい頃たった一人で居た、
咲の心が見えたようだった。
―もっと頑張らなきゃ―
―私がもっとみんなの役に立てば―
―みんな、私の事を認めてくれる―
―傍に居てくれるはず...―
ガキん時に一度だけ見た、
咲の心の奥。
まだ、続いているんだと思った。
「っやってやるんだ...
弱ってなんか...居られるもんか。
私が倒さなきゃ、いけないんだ。」
立ち上がって、空を見つめる咲。
「!?」
「我は、陰陽道を司る、
聖林の姫なり。
この命に代え燈兜を滅する。
我を知りゆく
天の者よ。
そなたも力を...祈りを我に。
みなの力...無駄にはせぬ...」
聞いたことのない、術言。
いや、術じゃない。
決意のような、そんな言葉。
咲が言っている最中にも、
咲の力が高まっていくのがわかる。
「!!」
咲の力じゃない、
たくさんの、想いや力が、集まっていく。
咲を囲む様に渦を巻いた。
まっすぐにおろした咲の髪が撒き上がる。
ふと、
聖林家の姫としての、
『正装』をした咲に見えた。
「...これが...咲...なのか...?」
思わず声が出た。
「...聖林の..姫...。」
咲の覚悟が、
姫としての覚悟が、見えた気がした。
翔太side end