鈴が咲く【前編】
いつまでも避けているわけには..
ヒュン!
空気が裂ける音がして、
槍が飛んでくる。
「守!」
壁のような守りで、
飛んできた槍を、全て地面に落とす。
「っ…璻狐龍円環!」
スイ コリョウエンカ
術を唱える。
『ウッ...』
燈兜が術を受けている間に、
自分の体勢を立て直す。
『うむ。思った通り。
おもしろい!これハおもしろい!』
「はぁ...」
『やはり、お主必ず手に入れようぞ。
....グゥッ!?
ま、さか...
さっきの術ハ...』
そう。
さっき私が掛けた術。
まだ、燈兜が石碑をぬけだしてから3日。
ということは、
まだ封印の術が
かかっているかも知れないと思って、
封印の術をかけた。
この術は、他の封印の術を、
一時的に強めることもできる。
だから、
威力が弱まっている封印でも、
燈兜が
動けなくなるくらいにはできる。
そう思った。
まぁ……古術書っていう古い本を解読したものだし
ものにするまで8年はかかった大技。
頭が揺れそうになってるけど、ね……