鈴が咲く【前編】
終わった...
休み時間ごとにクラスメイトに囲まれた...
結構疲れるよなぁ...
「咲。帰るんだろ?」
「うん。でも、理事長室に行って、
寮の部屋の鍵もらわなきゃ。」
「あー。わかった。一緒に行こうぜ。」
「いいの?ありがとう!」
嬉しそうに翔を見上げて笑顔を作った。
ガララ...
「「失礼します。」」
「おう!咲!翔!」
「亮ちゃん!
も~なんで翔がいること教えてくれなかったの~?」
「ははっ。秘密にしてた方が面白いかと思ってさ!」
「も~」
なんて。
まぁ知ってたけど。
「咲。そんな怒んなって。」
「翔。だって...」
「まあまあ。咲、これ鍵な。特別階の2006号室。」
「特別階?」
「Aクラスの中の分野別でトップクラスの人が入る寮だ。
学業、スポーツ、芸能、その他もろもろ...ってな。」
「千番台の数字は一年、
二千番台の数字は二年、
三千番台の数字は三年の寮。
百番台は一階。二百番台は二階...って感じだな。
この鍵は2006だから2年の生徒の特別階だってこと。」
なるほど...
特別階は百の位が0ってことね...
「オッケー、わかった」