鈴が咲く【前編】
「咲と式達はほんと仲いいし、
ただの主人と式、って関係じゃなくて
お互いが信頼しあってるから、式達もなついてるよ。
獣の姿の式とか、子供の姿の神霊とかは、
ほんとなついてて、
ここに来るの禁止されてなかったら
いつも行動一緒なんじゃないか?」
「うん。
禁止した時は
泣かれそうになって困った...
行動一緒にしようと思ってなくても
ついてくるからね~」
みんなとは違ってちゃんとコミュニケーションとって
みんなを想って過ごしてる。
「なんや、
いろんな姿の式っちゅーもんがおるんやなぁ...」
「うん!
人型だと、大人、小さい子、私と同い年くらい。
あとは、獣、動物の姿ぐらいかな...」
あ、そうだ...
「ここで相談なんだけど...
この特別寮には
めったに人は来ないでしょ?」
「あぁ」「まあね」
「先生もこねーもんな」
「だから、
ここに来るのは
寮生である私たち五人だけになるよね。
もうみんなには秘密ばれちゃったし、
式達がここに来ること、許しちゃダメかな?」
「おもしろそう!」
「俺は、全然構わへんで!」
「別にいいけど?」
「俺は、
今まで一緒に居た柳達だし、
居てくれた方がいいな」
「ほんと?
来てても良い?」
みんなが頷いてくれた。
「ありがと!!」