鈴が咲く【前編】
柳が居なくなってみんなの方を向く。

「ごめんね...
いつもはほんとに優しくて頼りになるし、
助けてくれるんだけど...
あんまり知らない人には冷たいんだ。
許してあげて?」


「あぁ...」「うん!大丈夫!」

「別に気にしてへんよ!」

「ありがとう。
あ、もう遅いからいったん私部屋戻るね?
翔も、もう大丈夫でしょ?」

「あぁ。
...でも咲...」



「ん!
じゃあ、私戻るね!
バイバイ!」

ガチャ

みんなから返事をもらって部屋に戻る。










_____カチリ


「ッハァ...」

これは、ヤバいな...

さっき翔から私に移した邪気が
体中に広がり始めていた。



邪心が強い...
一体何人の闇を食らったのだろう...



「...っ...
ハッ...

――呪縛、邪鎖――」
ジュバクジャサ


邪気の進行を縛る。

これで一体いつまでもつか...

「っ明日までは...どうにかっ...」




怪我をしていない体の中に入った邪気は
その身体の持ち主が清めなきゃいけない。

でも自分自身の治癒術は使えないから、
護符とか滝行とか自然治癒にしたりもする。



式に治癒してもらうって手もあるけど、
そんな身勝手、したくない。

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