鈴が咲く【前編】
ピュー

先に飛んで行ってしまう
九尾を追いかける。

「九尾、待って!」

声をかけると
止まって後ろをうかがうその姿は、愛らしい。

私の体の周りをくるくると
回って、もう一度肩に乗った。


それからは、
いつもどうり登校して授業を受けた。











______


「っ...」

四時限目。

授業の終わりかけ。
邪気が一気に体の中を走った。


「ッハッ...っ..」

術が解けちゃったのか...

息苦しい。重い。
体を蝕んでいくような、この感じ。



っ...後少し...
せめて授業が終わるまでは...っ



キ―ンコーンカーンコーン

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