鈴が咲く【前編】
『……おう。
咲から呼び出すなんて久しぶりだな』
「柳。ごめんね。
今日だけ代わりに
見回りしてもらっても良い?」
『任せろ。』
「よろしくね。校内だけでいいから。」
『行ってくる』
柳は、
今の私と同い年ぐらいの男の子の姿をした式。
いつも呼ばなくても、
一人で戦っている時は
来てくれる、頼もしい式なんだ。
情報収集も得意だから、
本当に頼りになる。
「よし。今日は柳に任せよう?」
「「「あぁ」」」
「昼でも力や気配に気づいたら、行動するってことで。」
「「「了解」」」
「じゃあ、咲と翔は授業もあるし、
ほどほどにな」