鈴が咲く【前編】



頭の上に疑問符を出している誠にぃをよそに、
倉庫の入り口から、真ん中の方へと移動する。


途中で亮ちゃんに耳打ちされて理解した誠にぃに少しだけ呆れた。




「三人はどうする?」

「技を特訓するためにやってんだから、
失敗してもおかしくねーぞ?」

「危険だなぁ...」

三人に聞こえないように、
小さくつぶやくように亮ちゃん達と4人で話す。

「...」

他の三人が話しているのを聞いて
少し下を向いた。






「....よし。わかった」

いっぺんにこっちを向いた
みんなの顔を見る。




仕方ない。
…まぁ、少しは私の特訓にもなる……でしょ


「龍也君達も!
ちょっと集まって!」

全員を近くに呼んだ。



「今日の特訓、私は式を使わないから。

術、符、妖刀とかの自分だけでやる。
私の式で、三人の周りを固めるから。」

「うわ...マジ?」

翔の苦笑いに頷く。





「もちろん。
式に頼らなくても、強くなきゃ」

そう言って
まだ納得してない様子の龍也君達を見る。

「納得してないね」



「あ、当たり前だろ!」

「あんま咲希ちゃんに
負担掛けたくない...」

「俺らの事は
心配せんくても...」


はぁ…
ならついてこなきゃ良かったんじゃないの?

「じゃあ、
術とかが飛んできたらどうするの?
対抗できないでしょ?」


「「「っ...」」」

「さっきの約束、
忘れたとは言わせないからね」

「.....わかった」

< 315 / 568 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop