鈴が咲く【前編】
龍也君がそういって二人も引き下がった。
くるりと後ろを振り返った。
「じゃあ、
今日は実践練習ね?」
「「「はっ!?」」」
「三人も見てくれてるんだし、
今までの実力試し」
そう言うと、
翔と誠にぃと亮ちゃんの目の色が変わった。
「「「やる!」」」
顔をきらきらとさせて
答えた三人にそっと笑って言った。
「勝負は一回。
三人対私で、
私はさっき言った通り式は使わない
そちらには制限はないから。
制限時間は...決めないことにする。」
ぽかーん、とした顔をした三人。
「な、なぁ咲?
それってまさか...」
亮ちゃんが
何かを感じたように聞いてきた。
「うん。
『咲』ではなく
『当主』、『聖林の姫』としての
本気の勝負。」
真顔になった三人に畳み込む。
声も、言い方も。
当主としての態度で大きく声をあげた
「我、聖林当主、咲は
そなたたちに真剣勝負を申し込む!
受けるならばしかる今日二時、
ここにくるが良い!
異論があるなら申し出よ!」