鈴が咲く【前編】
それから
そのまま何事もなく
学校に行く日が続いて、
みんなの事を名前の呼び捨てで
呼ぶようになって一週間。
終業式の日。
みんなと雑談しながら帰っていく。
「「終わったーーー!」」
光輝と康平が前をダッシュしながら叫ぶ。
「あはは…元気………」
苦笑しながらも龍也と翔の間を歩く。
「あいつら…」
呆れた様に声を出す龍也。
「赤点の事完全に忘れてないか?
あれ。」
真顔で言った翔の言葉に固まる。
「あ、明日だっけ?返却日。」
「あぁ。
あと学年上位20位の張り出しもな。」
二人を見ていた龍也が
こっちに目線を動かしながらそう言った。
「赤点…ありませんように…!」
祈るように呟くと、
「赤点あったら、
補修テストの勉強も教えなきゃだろ…?」
そう呟いた翔の声に、
「「「…絶対やだ……」」」
3人の意見が一致した。