鈴が咲く【前編】



「今欲しい奴は来いよ~?」
「後で部屋まで届くぞ~」

先生がそう言ってる

「どうする?」

私が4人に聞くと、

「俺はどっちでも」

「俺も。実際結果そこに出てるし」



そう答えた翔と龍也君。

まぁそれはそうか....


「お、俺は後にする」

「俺も。
後に...」

康平君の返事に光輝君も返事をした。


だいぶ緊張してるのか、
ときどき出る『俺』の一人称。


「...言っとくけど、
テストは後で届くからな?」


「テストからは逃げらんねぇよ?」

翔、龍也君の順に
釘をさすように言った。



「ウッ...わかってるよ!」

「な、何言ってんねん!
テストから逃げられるわけないやろ!?」

あわてたように取り繕う二人だけど...





「うん...バレバレ」

「だな。
あわてすぎだし」

「頼むから赤点だけはとんないでくれ...」

「あんだけ教えたからね...」

「赤点の再テストまで
教えることになったら...」




「「「む、無理...」」」

私、龍也、翔、私、翔

と小さく聞こえないように会話して、
ため息をついた
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