鈴が咲く【前編】
「「それだ!!」」
「うわっ」
急に大声をあげて詰め寄ってきた
光輝と康平に驚く。
「良いと思うけど。
テーマパークはわかるけど
海が近いキャンプ場なんかは
今らは予約とか無理なんじゃねー?」
龍也が
スマホで調べながら
顔を上げずにそう言う。
「あ、それは大丈夫」
「「「?」」」
「あ、咲。
あそこ使うのか?」
「うん。
良いでしょ、多分。」
「...いいか」
「一族が持ってる
別荘が、海の近くにあるの。
そこにしようかなー、って」
「「!!」」
「使っていいもんなのか?」
目を輝かせた二人のよそに、
龍也が少し心配そうに聞いてきた。
「いつも私ぐらいしか使わないし...
向こうで修行するから大丈夫」
「じゃあ、そうするか」
「「よっしゃーー!!」」
「うるせぇよ」
「少しぐらい
おとなしくしてろ~」
「「.....」」
叫んだ二人に
翔と龍也の毒舌が入った。
やっぱり...
みんなはみんなだなぁ...
なんて思いながら、
細かい予定を立て始めた。