鈴が咲く【前編】
柳side


「だが今回は...!」

「当主と言えど...」




本家の最深部。

大広間から聞こえてくるのは
御老主達の討論の声。



『またか...』


きっと咲の悪口も混ぜながら
討論しているんだろう。


大広間へと続く数メートル間には
結界を張り、
式を立たせている


『夜召』
 ヨ メ


立たされていた式の一人に
声をかける。


『あぁ...柳』


『あの御老主ども、
今度は何やってんだ?』


当主に続く聖林家NO.2の
御老主に対する態度か、
と言われそうだが
実際のところ式達はみんなこうだ。


俺達を道具として扱う、
年老いた奴ら。



ここに居る式はみんな。

御老主に使えていたとしても。


裏では全員が、
咲を慕い、
咲のために聖林に居る。
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