鈴が咲く【前編】
『燈兜のことらしい...
見張ってろって』

『相変わらず
偉そうに...』

夜召の言葉に
奥歯をかみしめた。



偉そうに。
むかつく奴ら。

俺らの主は咲だけだ。



そもそもテメェらの落ち度じゃねぇか…!



『なんか
咲が問題視されてるみたいだぞ?』

隣にに立っていた
楚宙も声を出した。
ソ ラ


『何でもかんでも
咲のせいにしやがって...』


思わず声に出した思いに二人が同調した。



「何であんな小娘が当主なんだ」

「式の一”体”や二”体”どうでも...」

「あんな落ちこぼれが偉そうに...」


『『『!!』』』

御老主の少し大きくなった声が聞こえて
二人の眼が見開かれた。


『っんだと...』

握りしめた拳に
力を入れた。

『咲様を馬鹿にすんなよ...』

夜召の怒りを押し殺した声が聞こえた。

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