鈴が咲く【前編】
「よっしゃ!
久しぶりだな~
咲の手料理。」

うれしそうに言う翔。

やっぱり変わってないなぁ
子供のころから。


羨ましいほどに、汚れを知らない。



「じゃあ、着替えてまた来て!」

ドアまで翔を送りながら言う。

「あぁ。わかった。」

ガチャッ

私の部屋の横のドアが開いて
男の子が顔を出した。




「あれ、翔太。それに...」



「あ、今日転校してきた、
香林咲希です。」

「そうそう!
今日話しかけよ―
思うてたんやけど...
なんや、タイミング合わんくてなぁ...」




あー...

休み時間のたんびに
クラスの人たちに話しかけられてたからな...




「あ、そうや!
俺、関石 康平な!
セキイシ コウヘイ
よろしゅう!」



「あっ、よろしくおねがいします!」

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