鈴が咲く【前編】
『クッ……』
『ッ!』
『うっ』
少し体勢が崩れたみんな。
「我が名はっ」
あぁ、久しぶり。
こんなに、
みんなと心が通じた気がするのは。
こんなに、楽しいと思うのは。
本気に、紅竜として、
みんなと戦いたいと思うのは。
みんなが強くなっていて。
翔よりも、誠にぃよりも、亮ちゃんよりも
強いんじゃないか、何て思ってしまって。
さっきまでの何かのモヤが
吹っ飛んで言った気がして。
みんなと、昔みたいに
戦いたくて。
だから_____
「紅竜!」
そう叫んで、
いつの間にか私の前、数十メートルに
集まっていた、みんなを指差して。
「来いっ!!」
そう、大声で言った。
指の先にいるみんなは満面の笑顔で。
『久しぶりの本気なら!』
『うちらだって本気で行くよっ』
『昔より、強くなったんだからな?』
『やっと紅竜ですねっ』
『咲様、いえ、紅竜様!』
怜芽、琴、楚空、夜召、キヨ。
『咲。思いっきり行くぞ!』
柳の声で、
九尾が空高く舞い上がるように
飛んで。
【【行くよ!】】
【【行くぞ!】】
四方八方に広がったキュウビ達が
そう鳴いた瞬間、
柳達と私の攻撃がぶつかり合って白い光が広がった