鈴が咲く【前編】
「敬語じゃなくてええよ。
同い年やし。」

「あ...うん。」

二カッと笑う関石君。



ピンポーン

エレベーターの扉が開いて、
二人が降りてきた。



「おぉ!光輝に龍也!
えらい遅かったなぁ!」


遠山君と...誰だろ...?

「あっ、咲希ちゃん!
寮、特別寮だったんだぁ~
すごいね!」





遠山君が笑ってこっちに歩いてくる。

「ほらっ龍も!
自己紹介!」

遠山君がうながす。



「...佐島、龍也。」
サシマ リュウヤ




「ごめんね、咲希ちゃん。
龍、女の子苦手なの。」

「あ、ううん。
よろしくお願いします!」




「あ、咲希ちゃん。
今度から僕と話すの、
敬語じゃなくていいからね?」

首をかしげながら言う遠山君は
下手な女の子よりもよっぽどかわいらしい。




「う、うん。
わかった!」

「じゃあ咲。
あとで行くから。」

「あ、うん!
待ってるね!」



翔に言われてうなずく。

「なんや?
今日なんかあるんか?」
< 37 / 568 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop