鈴が咲く【前編】
「星眼から。」

「はい。」


明るいはっきりとした声がして、
巫女服をきた、
星見の一族のトップである、
星奈が立ち上がる。


「星眼では、
毎日昼は、昼の星の知識がある者に、
夜は、夜の星の知識がある者に、
グループをわけて星を見ています。
また、星見に伝わる古文書を解読し、
新たな予知を探しています。」


そう言った星奈が一礼して座った。


「情報収集班。」

「はい。_______」

「解読班。」

「はい。__________」

「封者。」

「はい。______________」





「燈兜の封印を解いた一族の行方は」

シン、と静まり返った空間。

「誰も調べてすらいないのか?」

責めるような口調で続ける。

「…柳。」

一言、そう言った。

『はい。』

スッと立ち上がって
言った柳。

いつもは使わない敬語を使って、
こちらをまっすぐに見つめてくる。



「本当はさせないつもりだったんだが…
誰も調べていないらしい。

報告を。」

『はい。その一族は優羅魏と言います。』
ユウラギ

『以前一族のあった場所に行ってみましたが、数年前から妖鬼の一族と関わりがあったようです。』

『依然、居場所は掴めていませんが、
やはり妖鬼の一族に匿われているのではないかと思います。』

『闇に堕ちた原因も、今調査しています』

サッと一礼し、座った柳。



「指示がなくても出来るだけ情報は集めるものだ。当たり前だろう。
ここにいるのは上に立つ者だろう!
自分で考えろ」


そうシン、とした大広間を
睨むようにしてはっきりと言った。
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