鈴が咲く【前編】
光輝side


「んでここが風呂場な。
奥行ったとこが
一族の稽古場として使ってるとこ。」



咲希ちゃんと別れて、
別荘を案内してもらう。

最後まで終わったかと思った、その時。

「!……」

翔が少し何かに反応して、
ふっとななめ上を見上げた。

「?翔…?」

そう、声をかける。

「……」


黙ったままの翔。
眉間にシワがよっている。




「んだよ咲……
一人でやんなよな……
しかもこんなに上級………」



ブツブツの翔が何かを呟いている。

「!
翔太、これ……」

龍も何かに気づいたみたいだ。

「……なぁどうし、!」

上から何か透明なものが
空気を覆っていく。

「コレ……」

康平が口を開けたままそう言うと、


「咲が結界張ってんだよ。
最近は色々危ないから……」

「何か今までのと違うくないか?」


「分かりやすく言って、レベルの高い術。
威力が強い分、実力者じゃないと使えない。」

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